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【山の日】

 山の日である。山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを目的として定められた祝日。方々で新たに定められた祝日にかこつけてイベントが開催されている。山の恩恵とは、精神的な物、物理的な物、様々にある。山に分け入り、山歩きを楽しむだけでもいい。各々の親しみ方がある。

 かねてより山はヒト属にとって畏敬の対象であった。生活を寄せ付けないその環境から、異界のようであるともされ、また、山岳信仰というものまで生まれている。今でこそ解明が進み、娯楽の場ともなっているが、油断すればたやすくヒト属の命を飲み込む魔物にも変わる。自然の驚異である。

 ふみぞうどもにとって山は親しみ深い場所である。今でこそ台所の食パンに生えているふみぞうも、かつて山の中で朽木に繁茂し、土に還していた過去がある。誇り高き分解者の一族に名を連ねていたという誇りが、卑小な存在に成り下がった今でもふみぞうの菌糸の根元には息づいているのだ。

 その誇りも今や炭水化物に繁茂するしかできない存在に堕した今となっては、身の丈に合わぬ飾り物に過ぎない! 食パンを冒しては三角コーナーに廃棄されるふみぞうに、かつての面影を見ることはできない。震えながら許しを乞い、胞子を撒き散し、そして滅ぶ! なんたる無様であろうか!

【道具】

 ヒト属は道具を使う動物である、と言われるように、ヒト属にとって、道具というのは重要なものなのである。生身の肉体だけであれば、ヒト属とはひどく脆弱な種であり、ヒト属が地球上を席巻している理由に、道具、それもひどく高等なそれを使いこなしていることを外すことはできない。

 生身ではとてもできない事、例えば遠くの同属と話をしたり、脚ではとても移動できない距離を移動したり、そういうことを可能にするのが道具である。種と言うものを、その使いこなす道具までを含めるなら、ヒト属に敵う種など存在しえないであろう。足りない
ものは道具で補えばよいのだ。

 ふみぞうどもに道具を使う能力はない。魔王ファンガスを滅ぼすため、23株の勇敢な菌類が対魔王最終兵器としてカビキラーを用いたという記録もあるが、それは一部の高等な菌類のみの話であり、一般的な菌どもは己の領域を広げるため胞子を撒き散らし、菌糸を伸ばすしかないのだ。

 菌どもにとって道具とは自身の身を危険に晒すものでしかない! 懐中電灯に照らされ、カビキラーの噴霧によりあえなく滅菌(し)ぬ。なんということだ! ヒト属の作りし道具の数々が菌どもを滅ぼすではないか。道具とはその種にはプラスであるが、他種にとっては驚異でしかないのだ!

【ファンタジー】

 ファンタジー。創作の中ではごくありふれたジャンルの一つである。異世界の物語というのは、いつになっても心を躍らせるものである。様々な要素が組み合わさっているものの、かつてには剣と魔法の世界を主に取り上げていた。幼少の頃、こうした物語に触れて育った諸兄も多いことだろう。

 この世界は絵本という形でもよく使われている。さらに幼い頃、不思議な世界の物語を聞き、少し成長して読み、そして新たな世界の扉を開く。そこには成長するにつれて忘れてしまった、空想の世界が広がっているのだ。こうした世界に久しぶりに触れ、望郷の念にかられることもあるだろう。

 このような世界のふみぞうと言えば、森の中に輪になって生息していたり、不思議な秘薬の材料になったりしている。ファンタジー世界のふみぞうは、その神秘性を醸し出す一助として用いられている! 暗闇の中にぼうと輝くふみぞうを発見し、幼心に感動を覚えた諸兄も多いことだろう!

 しかし現実は非常である! 魔術的なふみぞうなぞ存在するよしもない。卑小にも食パンに生え、そして滅ぼされる。現実とはかくも過酷なものか! 現実世界のふみぞうは、決して神秘的でもなんでもないのである。当たり前に台所の隅っこで震え、見つけ次第滅ぼされる。菌的である!

【糖質制限】

 糖質制限ダイエットなるものが存在している。炭水化物をはじめとした糖分を制限することをその方法としたものである。その効果のほどは個人差もあろうが、一部には確かに有効とされている方法であろう。糖質以外は制限がないのも魅力である。実際に試している諸兄も多いことだろう。

 しかし、実際そう簡単にはいかない。あの白く炊きあがった米を思うさま喉にかきこみたいという欲望が脳を支配するだろう! 糖質の中毒性、快楽性は麻薬のそれをはるかに凌駕しているのだ! ヒト属のエネルギーとしてごく一般的な糖質は、それゆえに強い中毒性を持っているのである!

 ふみぞうどももまた、主には食パンや白米に生える。ふみぞうの性質的に、デンプンや糖、そして適度な水分が大きく繁茂に影響しているからだ。むろんタンパク質が腐敗する原因も菌どもにあるわけだが、ふみぞうはあくまで炭水化物派なのである。菌どもにもまた、好き嫌いは存在するのだ!

 ヒト属の住居で行われている糖質制限。つい買い込んだ食パン……ふみぞうどもが色めき立つ! あっという間に食パンは緑に染まる。「ふみぞうだ!」ヒト属は嫌悪の表情とともに食パンを廃棄! 噴霧されるカビキラー! 当然滅菌! 結果にコミットした結果がこのザマである!

【健康診断】

 健康診断を受けるヒト属。労働には健全な肉体と精神が必要である。そのためには自身の健康状態を的確に把握することは必要不可欠と言えるだろう。日々の業務を一時中断し、ぞろぞろと会場に群れるヒト属。仕事のことが頭から離れぬ者、疲れから居眠りをする者、その姿は多用である。

 身長体重測定、心電図、採血。ヒト属の健康状態が暴かれていく。見よ! そこではこのような会話が交わされる。「気を付けなきゃ」「明日からがんばろう」その言葉の通りにされることはない! 菌属には存在しない、その場しのぎの建前が飛び交う。健康診断とは欺瞞の溢れる場所なのだ!

 翻って菌どもに健康診断などない。ヒト属の会場でも、採血時のアルコール消毒で滅菌される皮膚常在菌や、レントゲン撮影の放射線に被爆し滅ぶ菌どもがいる程度で、大多数の菌類にそのようなものは関係ない。健やかならば繁茂し、病めば滅ぶ。まったく自然そのものの姿がそこにあるのだ。

 ふみぞうもまた病めば滅ぶ。しかし自然の摂理に反して生き延びる厄介なふみぞうも存在する。そのようなふみぞうは同属からも忌み嫌われる存在に成り下がる! しかし所詮ふみぞうである……見つけ次第カビキラーを噴霧、そして滅菌! これだけで全ては事足り、衛生環境は保たれるのだ!
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本州の端っこに震えながら生息する菌類・ふみのブログです。
趣味についてのあれこれを、徒然なるままに語っていきますので、緑茶でも飲みながらまったりとご覧ください。

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